グリーンマックス創業50周年記念誌
リリースの情報を聞いた瞬間に速攻で予約し、以来発売を心待ちにしていた「グリーンマックス創業50年記念誌」がついに到着しました。

この種の記念誌は10年前にKATOの50周年、TOMIXの40周年にも出版されていますが、グリーンマックス(以下「GM」)のそれはこのメーカーらしさが前面に出た非常に個性的、かつ読み物としても読ませる内容になっている印象でした。
ここでいう「GMらしさ」とはズバリ「作る楽しさいっぱい!」
日本で初めてNゲージ車両のキットをリリース、更に鉄道模型界でも前人未到のジャンルだった日本型ストラクチャー、それも鉄道施設以外の一般建造物を市場に問い、鉄道模型におけるストラクチャーを定着させた功績は未だ大きいものがあります。
しかも、それらのアイテムの殆どが「ユーザーによる改造を前提に商品化」されており「ユーザーの個性を引き出すためのマテリアル」としても機能していた事は、他のジャンルも含めたプラモデルメーカー全体の中でも異色の存在だったと言えます
それゆえに、特にストラクチャーは素組ではぱっとしない外見の物が多いのが特徴で、80年代のレイアウトで「駅前風景の画一化」を招く一因となってもいたと思います。当時はまだ風景創生に個性を求めるニーズが定着していなかったので、レイアウトが「家も店もあります」的なレベルに留まりやすかった訳ですが、「改造前提」というGMの先進性が理解されるのには多少の時間を要しました。
車両についてもそれは同様で、GMストアーなんかで展示されるユーザーの作例は例外なく「素組みのモデルよりも魅力的に見える」点でビギナーの憧れを搔き立てる存在となっています。

本書はそうしたGMのポリシーと、それに支えられた製品展開の歴史を一冊に凝縮したような内容で、オールカラー印刷のカラフルさ(これも電車のラインナップに強いGMらしさの表現には向いていると思います)も相まって非常に充実感を味わえる「読ませる一冊」となっています。
同業他社のそれに比べると非常に個性的なGMの企業としての沿革なども、改めて本書を読むとぐいぐい引き込まれる内容。
昭和30年代に庭園鉄道のレイアウトを始め、その頃からレイアウト志向が強かった鉄道模型ファンの鈴木雅夫氏が立ち上げたGMは、その鈴木氏の個性と熱意に惹かれて集まった限りなく同好の士に近い個性溢れるメンバーにも支えられてNゲージはもとより鉄道模型メーカーとしても特異な地位を持つパイオニアとなったところですからその過程のはなしがつまらない訳がない。
また、後半の寄稿も関係者だけでなく「GMによって作る楽しさを開眼させたファンの代表」の声も取り上げられていて、この辺りもユーザーとメーカーが相互に引き立てあって成長して来たGMらしいところです。
とどめに巻末には昨年物故した小林信夫氏がGMのカタログやパッケージに使ったイラストを拡大して再録。元々場面の密度の高いイラストが特徴だった氏の作品の本領を感じさせる、嬉しい配慮がされています。

店頭では発売と同時に瞬殺状態だったと聞いていますが、少しでもGMの凄さを認識している方は持っていて損のない一冊ですし、できるならGMの凄さを認識しきれていない方々にも大いにお勧めしたい一冊でもあります。
で、ここからはわたし個人の思い出話をば。

GMの登場はわたしがこの趣味に足を踏み入れた(1975年)のとほぼ同時期。
とはいえ、田舎の悲しさで地元の模型屋さんにGMの製品が並び始めたのはその半年後くらいだったと記憶しています。
しかも当初のラインナップがキットばかりというのも、あの頃から不器用だったわたしには予算とは別のハードルの高さを感じさせたのも確かで、車両については1980年代半ばの趣味の中断期までほとんど手を付けていませんでした。

むしろ影響が大きかったのはストラクチャーの方で、日本初の日本型ストラクチャー第1号となった信号所と詰所は(自分の下手さを承知で)速攻で手を出しましたし、初めてプラモの塗装に挑戦したのも3階建て雑居ビルでした。それらも含めて当時製作したストラクチャーのほとんどは50年経た今でも現存し、多少改修の上で今でもレイアウト上で現役なのですから、ここにもGMの影響力の大きさが実感されます。

それを後押ししたのが毎年発行されていた「カタログ」
わたしにとってGMのカタログは単なる製品紹介ではなく「レイアウトの風景創生への誘い」であり「作る楽しさが単なる素組みだけでなく各自の工夫で加工や切り継ぎを加えて自分だけの一品を仕上げる事にもある」という啓蒙の書でもありました。
その点において、GMのカタログは他社のそれとは別格扱いでして、読む側がいい歳こいたおっさんとなった今でも折に触れて読み返します。

カタログを執筆されていた鈴木雅夫氏やイラストを担当していた小林信夫氏からすれば、当時のわたしなんぞは「カタログばっかり買い集めて手を動かさない口先モデラー」でしかなかった訳ですが、20年前に趣味を再開し、夢だったレイアウトを実現する過程のなかで次々にキットメイクを手掛ける様になって、ようやくGMの凄さというものを本当の意味で認識できたような気がします。
(建物ばかりか車両キットの切り継ぎまで自分が手掛けるなど、あの頃の私には想像すらつきませんでしたから)
さて、来年はKATOの60周年、TOMIXの50周年を控えていますが、どんな展開がありますか。
光山鉄道管理局
HPです。

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この種の記念誌は10年前にKATOの50周年、TOMIXの40周年にも出版されていますが、グリーンマックス(以下「GM」)のそれはこのメーカーらしさが前面に出た非常に個性的、かつ読み物としても読ませる内容になっている印象でした。
ここでいう「GMらしさ」とはズバリ「作る楽しさいっぱい!」
日本で初めてNゲージ車両のキットをリリース、更に鉄道模型界でも前人未到のジャンルだった日本型ストラクチャー、それも鉄道施設以外の一般建造物を市場に問い、鉄道模型におけるストラクチャーを定着させた功績は未だ大きいものがあります。
しかも、それらのアイテムの殆どが「ユーザーによる改造を前提に商品化」されており「ユーザーの個性を引き出すためのマテリアル」としても機能していた事は、他のジャンルも含めたプラモデルメーカー全体の中でも異色の存在だったと言えます
それゆえに、特にストラクチャーは素組ではぱっとしない外見の物が多いのが特徴で、80年代のレイアウトで「駅前風景の画一化」を招く一因となってもいたと思います。当時はまだ風景創生に個性を求めるニーズが定着していなかったので、レイアウトが「家も店もあります」的なレベルに留まりやすかった訳ですが、「改造前提」というGMの先進性が理解されるのには多少の時間を要しました。
車両についてもそれは同様で、GMストアーなんかで展示されるユーザーの作例は例外なく「素組みのモデルよりも魅力的に見える」点でビギナーの憧れを搔き立てる存在となっています。
本書はそうしたGMのポリシーと、それに支えられた製品展開の歴史を一冊に凝縮したような内容で、オールカラー印刷のカラフルさ(これも電車のラインナップに強いGMらしさの表現には向いていると思います)も相まって非常に充実感を味わえる「読ませる一冊」となっています。
同業他社のそれに比べると非常に個性的なGMの企業としての沿革なども、改めて本書を読むとぐいぐい引き込まれる内容。
昭和30年代に庭園鉄道のレイアウトを始め、その頃からレイアウト志向が強かった鉄道模型ファンの鈴木雅夫氏が立ち上げたGMは、その鈴木氏の個性と熱意に惹かれて集まった限りなく同好の士に近い個性溢れるメンバーにも支えられてNゲージはもとより鉄道模型メーカーとしても特異な地位を持つパイオニアとなったところですからその過程のはなしがつまらない訳がない。
また、後半の寄稿も関係者だけでなく「GMによって作る楽しさを開眼させたファンの代表」の声も取り上げられていて、この辺りもユーザーとメーカーが相互に引き立てあって成長して来たGMらしいところです。
とどめに巻末には昨年物故した小林信夫氏がGMのカタログやパッケージに使ったイラストを拡大して再録。元々場面の密度の高いイラストが特徴だった氏の作品の本領を感じさせる、嬉しい配慮がされています。
店頭では発売と同時に瞬殺状態だったと聞いていますが、少しでもGMの凄さを認識している方は持っていて損のない一冊ですし、できるならGMの凄さを認識しきれていない方々にも大いにお勧めしたい一冊でもあります。
で、ここからはわたし個人の思い出話をば。
GMの登場はわたしがこの趣味に足を踏み入れた(1975年)のとほぼ同時期。
とはいえ、田舎の悲しさで地元の模型屋さんにGMの製品が並び始めたのはその半年後くらいだったと記憶しています。
しかも当初のラインナップがキットばかりというのも、あの頃から不器用だったわたしには予算とは別のハードルの高さを感じさせたのも確かで、車両については1980年代半ばの趣味の中断期までほとんど手を付けていませんでした。
むしろ影響が大きかったのはストラクチャーの方で、日本初の日本型ストラクチャー第1号となった信号所と詰所は(自分の下手さを承知で)速攻で手を出しましたし、初めてプラモの塗装に挑戦したのも3階建て雑居ビルでした。それらも含めて当時製作したストラクチャーのほとんどは50年経た今でも現存し、多少改修の上で今でもレイアウト上で現役なのですから、ここにもGMの影響力の大きさが実感されます。
それを後押ししたのが毎年発行されていた「カタログ」
わたしにとってGMのカタログは単なる製品紹介ではなく「レイアウトの風景創生への誘い」であり「作る楽しさが単なる素組みだけでなく各自の工夫で加工や切り継ぎを加えて自分だけの一品を仕上げる事にもある」という啓蒙の書でもありました。
その点において、GMのカタログは他社のそれとは別格扱いでして、読む側がいい歳こいたおっさんとなった今でも折に触れて読み返します。
カタログを執筆されていた鈴木雅夫氏やイラストを担当していた小林信夫氏からすれば、当時のわたしなんぞは「カタログばっかり買い集めて手を動かさない口先モデラー」でしかなかった訳ですが、20年前に趣味を再開し、夢だったレイアウトを実現する過程のなかで次々にキットメイクを手掛ける様になって、ようやくGMの凄さというものを本当の意味で認識できたような気がします。
(建物ばかりか車両キットの切り継ぎまで自分が手掛けるなど、あの頃の私には想像すらつきませんでしたから)
さて、来年はKATOの60周年、TOMIXの50周年を控えていますが、どんな展開がありますか。
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この記事へのコメント
塗装済みキットもほそぼそと供給されていますが価格と品質が釣り合わない感じですし、昔の板キットは古さとオーバースケール、他社完成品との競合でさすがに今では使いにくいです。
久々の板キットらしきJRS7000もKATOの完成品が買える価格ではちょっと手が出ません……
鉄コレ用にパーツはちょくちょく買うんですけどね。
GMのキットも基本的に50年前のキット構成の使いまわしに近い状態なのでオーバースケールや細密度の問題はついて回りますね。
キット全体のリニューアルは難しそうですし、改造前提の構造が今のビギナーに受け入れられにくい事は最近のビルキットで表面化していますし。
塗装済みキットは一見イージーに見えて接着面の処理を慎重にやらないと見苦しい事になるので諸刃の刃ですね。
一方でエコノミーキットは工具やエアブラシなどの初期投資が大きいですし難しいものです。
ですが、それでも手を使う工作の楽しさを追求する路線自体は継続されて欲しいですしまたそうあるべきかとも思います。
(鉄道模型の未来が完成品コレクターの巣窟というのも正直ぞっとしないですから)