モジュールレイアウトの設営とシステムレールのはなし

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 今回もトレインフェスタ絡みの話ですが、モジュールの設営や他のクラブの運転などを見学させて頂いた時の感触をもとにした個人的な考察となります。
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 静岡での初日(つまり開催前日)はクラブのメンバー共々モジュールレイアウトの設営で忙殺されるのが常です。
 この事は数年前から書いていますが、当クラブではその歴史の長さゆえに参加するモジュールに経年に伴う劣化を生じ始めているのが、そろそろ問題になり始めておりベースボードの歪み、レールの狂いから来るモジュール同志の連結部の微調整が年々難しくなっているのが実情です。
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 更に言うなら、モジュールを載せる会場の机やテーブルはモジュールそのもの以上に長期間酷使されているせいもあって、がたつきや狂いも著しい(どこでもそうですが、会場のテーブル類は元々モジュールレイアウトのような高さの精度を求められていない)ものです。

 それらを考慮に入れると、今やレイアウトの設営ひとつとっても、現場での臨機応変かつ職人芸的なノウハウが求められる様になりました。
 幸い、うちのクラブには調整のエキスパートとでも言うべきメンバーが複数いるので、それで辛うじてどうにかなっていますが、今後を考えると不安要因ではあります。

 具体的には、高さ方向の狂いはモジュールの下にダンボールやスチロールを挟み、前後方向の寸法差はレールの接続長の調整で対応しています。
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 このためにユニトラックで1ミリ単位で長さの違う接続レールを10本単位で用意しているのがクラブの強みです。
 (というか、それくらい細かな端数設定をしないとレールだけでモジュール同士を安定して繋げられない)
 これが個人レベルなら、バリアブルレールの使用も一法ですが、イベントでの使用では長時間の安定した走行性と電圧を確保する上では、バリアブルレールもあくまで「非常手段の一種」とならざるを得ません。

 まあ、こうした苦労はモジュールレイアウトという特殊な環境を長期間続けているが故のものではありますが、それゆえに一面においてはシステムレールの限界というか、弱点の様なものも徐々に浮き彫りにしつつある感もあります。

 個人的なはなしですが、わたし自身は最初に作ったレイアウトではユニトラックを使用し、クラブのモジュールレイアウトもユニトラック中心に使用していますが、レイアウトコンペに出品した葉純線や講談社の「週刊SL鉄道模型」をベースにした棚幡線はファイントラックを使用しています(で、クラブのレイアウト以外は電動ポイントを何らかの形で組み込んでいます)

 それらの感触で書く限りにおいては、わたし個人はユニトラックもファイントラックもそれぞれ一長一短で特に優劣を語るほどの差を感じていないというのが正直なところです。
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 ユニトラックのジョイナーがファインに比べて通電が安定しにくい場面があるのは確かですし、ファイントラックのステンレスレールが加工や改造に向かず(例えば個人レベルで端数レールを作りたい時など)に使いにくいのも確かです(ハンダが乗らないのでレールボンドをつけられないのにも参りました)
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 そういえば、今回の設営では同じモジュールでユニトラックとファイントラックを平行使用している場所などを見たのですが、殊バラストの散布に関して言えば以前拝見した美里山倶楽部さんのブログでもご指摘の通り、法面の部分にバラストが乗らないためにユニトラックが不自然に見えるのは確かです
 (但し、当のKATOもユニトラックにバラストの使用は推奨していません。この点はNEKOパブリッシングの「Lets Play Layout」でも明記されています)
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 また、モジュール同士の接合で専用のユニジョイナーを使う(この点は他のクラブとは異なるやり方ですが)ユニトラックはファイントラックに比べて接続部の安定性に欠ける(但しその差は僅か)事とレイアウトが大きくなるにつれて電圧降下が著明になるため随所に補助フィーダーが必要になる事、その際専用のフィーダーレールを要する為ファイントラックほどの融通が効かない事も実感するところです。
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 その一方でオリジナルの端数レールを作ろうとしたらユニトラックの方が圧倒的に楽です。やろうと思えば良いニッパーでレールをカットできますし、失敗してもリペアが容易なのは美点だと思います。

 なお、電動ポイントの作動耐久性に関していえばわたしの使用パターンの中ではどちらも今のところトラブルはありません。

 この辺りは使用頻度によっても感想は変わるとおもいますが、わたし自身はポイントを電気で操作する事それ自体に抵抗を感じている(要するにいつまでも安定して使えるなどとは思っていない)ので、確実に動作できる手動ポイントをできる限りパワーパックなどの操作系の手前に配して使うのがメインですし、手の届きにくい場所でレイアウトの操作上必要な場所のポイントは何かあっても直ちに交換できるように設計しています。
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 また、クラブのレイアウトの場合はマシンの耐久性に加えて設営時の配線の煩雑さを嫌う事もあってか、ヤードユニットでも殆ど手動でポイントを操作しているのが原則です。
 (待避線や側線は長いですが両端に二人転轍手がいれば運用上の不都合は殆どありません。但しダイヤ運転を行うならばこれは大きな問題にはなりますが)

 わたしの見てきたレンタルレイアウトの場合、フレキシブル線路とPECOのポイントマシンを組み合わせるケースを多く見かける気がしますし、KATOやTOMIXのポイントを使う場合でも、うちと同様に楽にポイント又はポイントマシンを交換可能な様に作っている模様です。
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 再度同じ結論に立ち戻りますが、殊モジュールレイアウトの場合は接続や操作の面で固定式レイアウトともお座敷運転とも異なる(あるいは両方の要素が折衷された)問題点やノウハウがある様で、それゆえに規格品の線路の特徴や長短が浮き彫りになりやすいという気はしています。

 固定式レイアウトやお座敷運転など使用条件が大きく異なる鉄道模型の場合、使用条件によって長所や短所が変わってくるのもまた当然とは言えないでしょうか?

 平たく言うなら何を使っても「決定版」というのがあり得ないのが、この世界なのかもしれませんね。

光山鉄道管理局
 HPです。


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この記事へのコメント

秋津のOB
2025年06月18日 04:44
たびたび失礼します。

今回は個人や店舗みたいな常設レイアウトとは異なり、移動と分割接合を繰り返すクラブレイアウトの維持と運用の観点からですね。一見物人からは全く見えない、あるいは察することすら及ばないことです。

貸しレイアウト頼りの第二種模型鉄道事業者たる当方には想像も及ばぬことです。経験則からポイントの厄介さは何となく存じてましたが、ファイントラックとユニトラックの長期使用については全くの無知です。長いこと仮設試運転線のみの運用しかしてないのでしたゆえ。

実は小林画伯のTMS連載記事に刺激され、コルクボードにPECOフレキと小型ポイント四基使ったレイアウト建築始めるも……未成線で力尽きた体たらく。どうしようかな(滝の冷や汗)
光山市交通局
2025年06月19日 22:08
>秋津のOBさん
 
 返信が遅れてすみません。

 TOMIXの登場した当時はモジュールレイアウトの概念がなく(TMSでモジュールレイアウトの概念が初めて取り上げられたのはTOMIX登場の前年、1975年10月号からだったと思います)モジュールを想定した製品づくりはされていなかったと思います。

(元々はメルクリンやエンドウの金属道床やフライッシュマン辺りの道床付き線路辺りがモデルとなっていたと思われます。いずれもお座敷運転前提のシステムと思います)

 昔のHOによくあったHOゲージの組み立て式レイアウトの場合は
「板の上にフレキシブルとPECOか篠原のポイントをマシンむき出しで固定する」のがメインでした。それゆえ線路の接続はどこも苦労のタネだった様でジョイントは補助(あるいはまったくなし)でベースの電極やソケットをつないで通電させるのが多かった様です。
(或いはエンドウの線路を補助的に接続レールに使うなど)

 トラックプランの自由度の高さは今でもフレキシブルレールが有利ですし、固定式レイアウトならそちらを使った方が面白いとは思います。
 ですがユニトラックやファイントラックの手軽さと道床の強固さは規格化されたクラブ用のモジュールでは大きなメリットを持っている点も事実です。

 今ならユニかファインで習作と割り切ったレイアウトを作ってみるのも一法ではないかと思います。昔と違って今のNゲージレイアウトは「一生に一度しか作れない」ものではなくなっていると思えますし。