「75年前のテツドウモケイのマンガ」のはなし

 先日入手したTMS1000号記念のデータベースのはなしから。
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 DVDにはデータベースの他に創刊号から通巻102号までのTMS本誌のPDFファイルが付属しています。
 創刊号のガリ版刷りは一部読みづらいところもあるのですが、活版印刷になって以降の号は活字、イラスト共にボードPCの画面でどうにか読めます。
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 流石にテクニックに関しては今となっては古さを感じる面があるにはあるのですが、やはり創刊から100号くらいまでは雑誌としても鉄道模型の趣味そのものにしても勃興期の勢いと活気が横溢していて、読み進むうちに元気をもらう気分になれます。
 車両工作にしてもレイアウトにしても、また実車の取材記事や随筆の隅々に至るまで「眼にするあらゆるものが新鮮に感じられた時代」の濃密な空気が満ちていて驚かされ、また熱気に当てられるのですから、読み進めて眠れなくなるのも度々です。

 さて、そんな風に適当に本誌を拾い読みしていてふと手が止まったのが通巻10号から連載が始まった「ミスターVAN」というマンガ。
 元々は1939年から連載が始まったModel Railroaderの連載漫画の和訳・再録との事です(作者はJ.kalmbackとPaul Geoczy)

 初回は「主人公のVAN氏が宝石店でルビーを品定めしているところに出会った奥方がプレゼントを期待して付いて行ったら、実はVAN氏は『カブースのテールランプに使う宝石を探していた』というオチがつく」
 たわいが無いほのぼの系マンガといえば言えますが、これが「第二次世界大戦前から連載されていた鉄道模型マンガ」となると驚かされます。
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 この第一回だけでも「戦前から紳士の趣味としての鉄道模型が定着しつつある」彼の地の現状が透けて見えますし「MR誌を机上に広げて製作法を見ながら工作を進めていたら、2ページ飛ばしてしまい蒸機がタンク貨車になってしまった」なんてのはあの当時から工作ガイドとして定着していたMR誌の立ち位置も感じさせます。
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 変わり種は「葉巻ケースの中にレイアウトが組めるOOOOゲージ」なんて題材もあったりして(Nゲージすらまだ登場していない時代)なかなか先進的ですw
 (上の写真のモデルはTゲージ)

 こんなふうに「うちわ受け的なジャンル限定マンガ」が存在する事も趣味の定着度のバロメータとしては興味深いものがあります。

 ですが、当時のTMS誌上ではこの種の連載はまだおふざけ程度にしか捉えられていなかったのか、評判らしい評判も聞かないまま、連載は数回で自然消滅した模様なのが惜しまれます。
 (なお、MR誌のマンガ自体は28号辺りまで単発で1、2回掲載されています)

 このマンガに刺激されたのか、通巻21号では中尾豊氏が「珍案ノート」という1Pマンガを上梓されています。これもまた当時としてもユニークなもので見ていて楽しいい気分にさせてくれました。
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 テツドウモケイの趣味の中でマンガが取り入れられる余裕が出てくるのはその後、水野良太郎氏が連載を始める1970年頃まで待たなければならなかった様です。

 それにしてもこれを読んでふと思ったのは「世界最古のテツドウモケイのマンガっていつ頃なんだろう?」 

光山鉄道管理局
 HPです。


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この記事へのコメント

レサレサ
2025年06月26日 00:12
これ私も喜んで読みましたが以下のような不満点がありました。

1:検索に対応してない(F3を押して出た欄に調べたい語句を入力すると文章中にあるそこに飛ぶあれ)
・・・これはまあ文字のデジタル化が困難で実質全部写真ということで仕方ないとしましょう。

2:今読んでいるのが何の号なのか一切表示されない
これはガチ不便です。
「1」は索引である程度絞り込み、例えば第10号の「PROTOTYPE GUIDE」を調べたい場合、索引で見ると同号の15ページだとはっきり書いてあります。
で、この第10号の15ページ目ってPDFの何ページ目でしょうか?
仮にこれが分からなくても「今の号は何号か」が分かればスクロールバー早送りで対処できそう(号さえ分かればページの多い雑誌ではないのでどうにかなる)ですが、これがないので表紙を一々探さないと分からんのです。

せめてこれぐらいは表示してほしかったぞ・・・
光山市交通局
2025年06月27日 20:40
>レサレサさん

 実はこの点については近いうちに書こうと思っていた事でした。
 
 何しろ100冊分以上の雑誌がたった2つか3つのファイルになっているだけに検索しずらいわ、一度閉じると次に開くときにまた最初からやり直しになるわで往生する事夥しい。

 こういうのは資料性が高いだけに検索しやすい形に変換できないか検討中です。