「生誕100年・特撮美術監督 井上泰幸」とレイアウト

 今回の帰省の戦利品にほぼ共通したキーワードは「特撮」でした。

 まあ、最初に立ち寄ったのが須賀川の円谷英二ミュージアムでしたから無理もありませんが、その後、仙台や盛岡でもそこそこ拾い物があったのですから尋常ではありません。

 昨年はNゲージのヴィンテージものに随分当たりましたが、今年は「特撮」にジャンルを変えてそうした偶然に当たって居るようです。
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 今回の入手品のひとつは「生誕100年・特撮美術監督 井上泰幸」(キネマ旬報社)

 この本については以前、特撮アーカイブセンターにお邪魔した時に存在を知ったのですが、帰宅後現住地はもとより甲府や静岡、アキバの本屋を巡っても見つけられなかった一冊(出てからだいぶ経っていた様ですし)でした。

 今回はたまたま立ち寄った盛岡の書店で物を拾う事ができた次第です。
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 黄金期の東宝・円谷特撮を語る上でミニチュアワークは外す事ができない要素のひとつであり、わたしの趣味である鉄道模型・レイアウトの製作に重なる部分が多い事からこの種の特撮メイキング本を見つけると入手する様にしているのですが、本書はその中でも資料的価値が高いのと同時にレイアウトづくりの上でも見習ったり、参考にしたりする部分が非常に多い名著のひとつです。

 ミニチュア特撮は映像前提でアングルや視点の取り方などで制限が多いものの、CGと異なる独特のライブ感覚は、模型で風景を創生するレイアウトとは共通する物が多いと思います。

 著者の井上泰幸氏は「ゴジラ」の頃から東宝特撮の美術に携わり、主にミニチュアを用いた疑似風景の創造に多大な功績を遺されている方ですが、本書では井上氏が各作品ごとに作成したイメージスケッチと絵コンテ、セットの配置図が多数掲載されています。
 いずれも作品を受注してから実製作にとり掛かる前の段階で描かれたものですが、実作品の場面と比べてギャップが非常に少なく、イメージスケッチが忠実に再現されている事に驚かされます。

 これは事前のイメージの煮詰めに非常な手間と神経を使っている事の表れであり、実製作は最後の一手として一気に立ち上げているという感覚だったのかもしれません。

 この心構えはレイアウトのプランニングにも通じるところがありますが、(平面図のトラックプランを基にしていても)シーナリィのイメージをただ想像するだけでなくグランドデザインをスケッチとして形にするだけでも「事前の予想と現実との齟齬を最小限にできる」意義は大きいと思います。
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 このほか、シーンによって最適なミニチュアの縮尺を選択し遠近感のある構図を作るところは以前このブログでも紹介した強遠近法に通じるところがありますが、わたしが既製品だけを使うのに比べるとこちらの方がより具体的で説得力があります(汗)
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 その他、テツドウモケイがらみのネタも少ないながらあります。

 (一例を上げると「地震列島」に登場する銀座線の2000形は縮尺1/5。構内が水没するシーンでは水をミニチュア化できないところから選ばれたサイズですが、一方で壊滅したビル街の俯瞰映像ではNゲージスケールの「GMの車上駅や公団住宅」が使われているのが見て取れます)

 レイアウトビルダーなら、これらの資料を俯瞰するだけでも何かしら得るところがあるのではないでしょうか。


光山鉄道管理局
 HPです。


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