続・小林信夫の模型世界
昨年のJAMで第一弾を購入して以来、続巻を心待ちにしていた「小林信夫の模型世界」
先月の帰省の時に入荷の連絡があったものの、本屋に行く機会が作れずについこの間ようやく手にする事ができました。

今回の続巻のサブタイトルは「貴方も電鉄経営者」
わたし的には氏のレイアウト志向を端的に表現した名句だと思います。
そこで記されているのは個々の建物や車両の工作記事は勿論ですが、限られたスペースの中で「楽しめるレイアウト」を実現するためには何が必要かを考えさせる作例やプランニングが示されているのが強く印象に残ります。
思えば、氏が本格的に活躍していた1960~80年代は16番もNも「小スペースの中に様々な要素を詰め込んだ幕の内弁当みたいなレイアウトが主流」でした。
60年代終盤に摂津鉄道が登場するまでは「畳一枚のスペースにリバースや立体交差やターンテーブルまで詰め込んだ高密度な小レイアウト」がいくつもリリースされていましたし、そんなレイアウトでは20M級の編成物を走らせるわけには行きませんでしたから勢い小型車両や自由形モデル、或いはショーティの車両を走らせる(言い換えれば「レイアウトに合わせて車両をコーディネートする」)のが半ば当然でした。
もちろんそのためには車両ばかりか建物やシーナリィもディフォルメしなければなりませんし、線路配置を欲張る事もできませんでしたが、ひとたびレイアウトが実現できれば「線路があって風景があって、その中に列車を走らせる素朴な感動」に浸る事ができたのです。

今のスケール派、実物準拠派の向きには面白くない嗜好かもしれませんが、こうしたディフォルメやショーティ化には極めて高度なセンスと実物の知識が要求されますし、それだけに(わたしの経験に照らし合わせて汗)失敗した時の悲惨さも半端ないですから、決して自由形やショーティ化がスケールモデルよりも下という事は無いと思います。
本書で軽便鉄道も含めたレイアウトの製作記事に共通しているのは「風景のディフォルメのセンス」「詰め込みにならず、単純すぎない絶妙なバランス感覚で成り立っているトラックプラン」の持つ意味の大きさを感じさせるところです。
しかもそれらが決して机上の空論ではなく、それぞれ実地に実験や試行錯誤を繰り返しながら煮詰められてゆくプロセスが丹念に描かれており「製作記」とも「作り方」とも異なる、一種の「テツドウモケイゼミナール」みたいな読後感を与えてくれるのです。
ですから単に読んでいても「筆者とともに参加している様な」気分になれますし、本書を参考に「電鉄経営者になろう」を実行した時には記事の一つ一つが精神的支柱になってくれるのではないかと思います。
(少なくとも本書の製作記事を正確にコピーして工作するのは技法の練習の場合を除いて筆者の望むところではない気がします。本書を踏み台にして自分なりのセンスを開花させた後続作をものした時に初めて氏の思いが報われるのではないでしょうか)
実はわたしもこれに近いHOのレイアウトを考えている折でもあるので(実現できるのか⁉)本書の記事には刺激を受けっぱなしだったりします。
光山鉄道管理局
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今回の続巻のサブタイトルは「貴方も電鉄経営者」
わたし的には氏のレイアウト志向を端的に表現した名句だと思います。
そこで記されているのは個々の建物や車両の工作記事は勿論ですが、限られたスペースの中で「楽しめるレイアウト」を実現するためには何が必要かを考えさせる作例やプランニングが示されているのが強く印象に残ります。
思えば、氏が本格的に活躍していた1960~80年代は16番もNも「小スペースの中に様々な要素を詰め込んだ幕の内弁当みたいなレイアウトが主流」でした。
60年代終盤に摂津鉄道が登場するまでは「畳一枚のスペースにリバースや立体交差やターンテーブルまで詰め込んだ高密度な小レイアウト」がいくつもリリースされていましたし、そんなレイアウトでは20M級の編成物を走らせるわけには行きませんでしたから勢い小型車両や自由形モデル、或いはショーティの車両を走らせる(言い換えれば「レイアウトに合わせて車両をコーディネートする」)のが半ば当然でした。
もちろんそのためには車両ばかりか建物やシーナリィもディフォルメしなければなりませんし、線路配置を欲張る事もできませんでしたが、ひとたびレイアウトが実現できれば「線路があって風景があって、その中に列車を走らせる素朴な感動」に浸る事ができたのです。
今のスケール派、実物準拠派の向きには面白くない嗜好かもしれませんが、こうしたディフォルメやショーティ化には極めて高度なセンスと実物の知識が要求されますし、それだけに(わたしの経験に照らし合わせて汗)失敗した時の悲惨さも半端ないですから、決して自由形やショーティ化がスケールモデルよりも下という事は無いと思います。
本書で軽便鉄道も含めたレイアウトの製作記事に共通しているのは「風景のディフォルメのセンス」「詰め込みにならず、単純すぎない絶妙なバランス感覚で成り立っているトラックプラン」の持つ意味の大きさを感じさせるところです。
しかもそれらが決して机上の空論ではなく、それぞれ実地に実験や試行錯誤を繰り返しながら煮詰められてゆくプロセスが丹念に描かれており「製作記」とも「作り方」とも異なる、一種の「テツドウモケイゼミナール」みたいな読後感を与えてくれるのです。
ですから単に読んでいても「筆者とともに参加している様な」気分になれますし、本書を参考に「電鉄経営者になろう」を実行した時には記事の一つ一つが精神的支柱になってくれるのではないかと思います。
(少なくとも本書の製作記事を正確にコピーして工作するのは技法の練習の場合を除いて筆者の望むところではない気がします。本書を踏み台にして自分なりのセンスを開花させた後続作をものした時に初めて氏の思いが報われるのではないでしょうか)
実はわたしもこれに近いHOのレイアウトを考えている折でもあるので(実現できるのか⁉)本書の記事には刺激を受けっぱなしだったりします。
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この記事へのコメント
猫屋線もジオコレ側からのレイアウト向け支援がもっとあればよかったのですが……
意外に見落とし回があるもんなんだなぁ・・・
参考にして何か作りたくなる、ナロー好きの工作派には、刺激になる書籍だと思います。
小林信夫氏の記事はわたしもTMSのバックナンバーをチェックしているのですが、まだどこかに見落としがあったのではないかと(或いは連載以外の記事がまだあるのではないか)気になってしまいます。
こんな心配をするのも活躍範囲の広かった氏らしいところですね
>oomoriさん
>
ナローの電鉄という発想はこれまである様でなかなかなかった題材だったのでレイアウトを含めたトータルな連載というのはわたし的にも新鮮でした。
それだけに別な切り口からの記事もまだまだ読みたかったですね。