ジャンク箱のN車両と無国籍レイアウトに思うこと

 さて、これまで紹介してきましたジャンク箱のアイテムの大群。
 これらのいくつかを自分のレイアウト上で回送させるのは楽しいものですがそれらを見ていてふと思ったことから。
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 最初にも書きましたが、恐らく前のユーザーは60年代終わりから80年代初頭までNゲージをやっていた方ではないかと思います。
 それも最盛期はTOMIXが登場する1975年以前だったのではないかと。

 この時期、日本形のN車両と言えば関水金属(KATO)が全て合わせても10種類ちょっとでよほどの自作能力を持つ人でない限りオール日本形でレイアウトや運転を愉しめなかった筈です。
 実際、この時期のTMSのバックナンバーなどを見ていると半年か3カ月に一回くらいの頻度で日本形N車両の自作、改造記事にお目に掛かります。それらの極め付けとなったのが75年10月号の「流線型C55」でTMS自らが車体キットに乗り出している事、そのおまけに「戦時型D51のテンダー」という「蒸気である事を除けば時代も性格も全く異なる車両」が同じキットに同梱されていました。要はそれくらい車種が不足していたという事です)
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 ですからこの時期のN(当時は9ミリゲージと言う呼称が多かった)ユーザーの大半はKATOの日本形と同じくらいの比率で海外メーカーの外国形の編成をチャンポンさせて楽しむのが一般的だったと思います。
 その事は当時のレイアウトを俯瞰していた「レイアウトモデリング」「レイアウトテクニック」のレイアウトの車両のラインナップを見れば一目瞭然です。
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 精々が関水のEF70と(当時2種類しかなかった)20系、あるいはC50とオハ31系位しか日本形が無く後はトリックスやアーノルド辺りの欧米型(当時はドイツのメーカーでも結構アメリカ形の製品が多かった)が半分かそれ以上を占めていました。
 まあ、ストラクチャー等のレイアウト用品も外国製に頼らざるを得なかったですからやむをえなかった事情もあると思うのですが、この頃のレイアウトは「山や川のシーナリィテリングは日本風、建物類はヨーロッパ調、列車は無国籍チャンポン状態」というのが大半だった訳です。
 (この状況の変化を実感させたのは1975年の1月頃にTMSに出た純日本風レイアウト「河内鉄道」辺りからでしょう。これ以前にも日本形のNレイアウトはあったのですが、河内鉄道以降日本形レイアウトの比率は急速に上昇します)
 ある意味妥協の産物でしょうし、現に当時のTMSの主筆の山崎喜陽氏もこの傾向を指して「9ミリのユーザーは『線路があって車両が走れば鉄道である』と捉えている向きが多いのではないか」と言った意味の事を書かれていた記憶があります。
 ですが今になってこの当時のレイアウトの記事を見るにつけ、その自由さ、融通無碍さに独特の感銘を受ける事がありました。
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 運用上に最低限の決まり(ここでは考証、時代設定など)が無いと「子供の遊びと取られかねない」(当時も今も鉄道模型の趣味をやっている人間には大なり小なり「幼稚扱いへの懸念や恐怖」があったと思います。私の見たところ大半は一種の自意識過剰の産物に思えるのですが)のはわかります。
 ですが趣味のひとつである以上はどこかに「突き抜けた何か」があっても良い様な気もします。

 「無国籍チャンポン状態」がそれだと言い切る訳ではないのですが少なくともそれに近いものはあると思います。
 今回ジャンク箱で入手した100以上のアイテムは半分以上が外国形でした。
 当然これまで私が持ったり見たりした事のない物ばかりなのですが、これと初期の関水金属製品が入り混じる様(さま)に一種の解放感に近い自由さが感じられたのです。

 そしてそれらの一部を自分のレイアウト上で運転して見た時に又別個の感動があったのも確かです。

 これまで私のブログにお付き合い頂いた方ならお分かり頂けると思いますが私のレイアウトは21世紀になって作った純粋な日本形のレイアウトです。
 アクセントに外国形の建造物を混ぜているとは言え、それらの比率は全体の5パーセントもないでしょう。
 当然走る編成もイベント列車などの一部を除けば99パーセントが日本形です。

 ところがそこに持ち込まれたアメリカ形B&Oのステンレス客車やターボトラン、C58風タンク機の牽引するアーノルドの欧州型2軸貨車の編成がKATOの20系ブルトレや、マイクロの483系なんかに混じっていきかう光景はまさに「鉄路のお祭り騒ぎ」そのものであり、これまで日本形しか走らせてこなかった時に感じなかった解放感をもたらしてくれました。
 事によると70年代前半までのNゲージユーザー、レイアウトビルダーの何人かもこれと同じ気分だったのではないでしょうか。
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 上述の書籍に出てくるNのレイアウトの作者はその大半がかつて16番の日本形を中心にやってこられた方でした。本来なら外国形の多い当時のNゲージのラインナップに対して拒否反応を示してもおかしくはない筈ですが不思議とそういう所が感じられません。
 運転やレイアウトを楽しむ層というのは車両中心のモデラーに比べて鉄道に対する感覚が良い意味で自由奔放な気もします。

 今回の試運転大会はそんな事を考えながらもとても楽しいひと時ではありました。 
光山鉄道管理局
 HPです。


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