「偉大なる凡庸の系譜」タキ3000編

 偉大なる凡庸シリーズ。
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 今回は先日競り落としたセムのおまけに付いてきた縁で「タキ3000」を取り上げます。

 Nゲージ製品としてのタキ3000の特異な点はほぼ同じタイミングで2社の競作となった点。
 しかもメーカー毎の長短がはっきりしていたという点です。
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 この貨車がリリースされたのは76年から77年にかけて。
 先ずトミーナインスケールの初のボギー貨車としてワキ1000やク5000(これもあまり間をおかずに競合します)リリースされました。

 それからタッチの差くらいでKATOが追随しました。
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 ナインスケールとKATOではプロトタイプが異なり前者はドーム上の手すりがないタイプ、KATOは逆にこれでもかという位に上部手すりの造形に気合が入ったモデルでした。
 又、前者は当初日本石油輸送の仕様しかなく、後者はステッカー付属で好きな石油会社が選べるようになっていました。
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 造形面で言うならKATOの圧勝。
 造形の繊細さは今見ても通用するレベルでKATOの新世代モデルの露払いとしての意義も大きかったと思います。
 当時のKATOはDD13とEF57の製品化を予定していましたがデッキ周りの手すりの表現がどうなるかは当時のファンには未知数であり、不安も大きかった筈です。
 (何しろタキの直前に出たナインスケールのDD13の手すりの太さを見ていましたから)
 そこへ登場したタキの手すりの造形はデッキ付機関車への期待を膨らませてくれる一助になったのは間違いありません。
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 ナインスケール版はKATOに比べると造形は大雑把な上にKATOよりも腰高でプロトタイプの相違も相まって一見すると違う貨車に見える程でした。
 (とはいえナインスケールだけの編成なら十分タキ3000に見えたのも確かです)
 タンク部とシャシはちょっと引っ張るだけで簡単に外れる構造でしたし台車の転がりもKATOに比べると今ひとつでした。

 ですがKATOのタキが800円だった当時ナインスケールが450円だったのは大きなアドバンスでした。
 今の感覚だと「たった350円の違い」に見えるかもしれませんがあの当時は食堂でラーメンが180円、カツ丼が300円だった頃の話です。
 機関車もKATOのEF65が3500円、ナインスケールのDD13は2300円だったと書くと少しは感覚的にお分かり頂けるでしょうか。

 ですから当時は競合と言っても「出来のいいKATO」「安さのナインスケール」という明確な棲み分けが出来ていました。
 (同様な事はク5000でも言えます)
 最近は人気モデルと見ると大概複数のメーカーの競作になるパターンが増えてきましたが、こういう分かりやすい形での棲み分けがなかなかないのが少し寂しい気がします。

 出来の良さを書いたKATO製も高さの他にステッカーが紙製のシール形式で切り出しが少し面倒だったのと紙のシールゆえにこばの白さが目立ってしまうという欠点がありました。
 このため「なにもしていない状態が一番かっこよく見える」という皮肉な欠点が(笑)

 買う側にとってもタキ3000は大概の貨物編成に組み込めましたし、タキだけの専用編成ももちろんありましたから恐ろしいほどの勢いで普及した貨車となったと思います。
 趣味の中断前の時期は私もKATO1両、TOMIX2両を持っていました。

 「普及したと思います」という変な書き方になったのは趣味の再開後中古で最もコンスタントに入手しやすい貨車のひとつがこのタキ3000だったからです。
 KATO版、TOMIX版ともにそれだけで編成が組める程の数がこの10年間で揃いました。
 現に今回の増備でナインスケール版が更に2両増えましたしw

 先に書いたとおりタキ3000の専用編成は一貫してポピュラーな存在でしたからワム80000同様「何両居ても困らない」貨車だった訳です。
 ですから「偉大なる凡庸」という表現は私個人としてばかりでなく当時を知るNゲージャー全体の認識だったのではないかと思います。
光山鉄道管理局
 HPです。

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