鉄道ミステリとNゲージを語る8「20秒の盲点」と『銀賞堂』

 鉄道ミステリをNゲージモデルと絡めて語るシリーズから。

 今回は「下りはつかり」所収の斎藤栄の「20秒の盲点」から。

 銀座の宝石店から「地中海の星」と呼ばれる石を強奪した3人組。
 その中の一人が逃走し損ねて警察に捕まり、宝石の取引現場を自白。
 根岸線洋光台の駅でその取引が行なわれるとの情報に基づいて張り込む捜査陣だが、犯人は誰にも気づかれることなく現場を離脱してしまう。
 何故犯人は張り込みに気付いたのか、その逃走方法は?

 というのが大まかなストーリーです。
 それにしても私があらすじを書くとどうしてこうつまらない書き方になってしまうのか(汗)

 個人的な読後感は「テレビの刑事アクションドラマのノベライズみたい」だったりします。
 本作は昭和50年に上梓されたもので「下りはつかり」の初版とほぼ同時期の作品ですが、この頃と言うとテレビの刑事ドラマの全盛期と重なります。
 作中、主人公の刑事が取り調べ室で犯人に酒を飲ませて情報を聞きだす描写があるのですがこれなどは小説としては型破りなものの、当時の刑事ドラマでもありそうな展開に感じてしまいます。
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 さて、本作を取り上げた理由のひとつにこの「昭和50年」という時期が絡んでいます。
 冒頭、犯人たちが侵入する銀座の宝石店の名称は「銀賞堂」
 宝石入荷で警報システムが手薄になっている所が狙われるという設定です。

 記憶されている方もおられるかと思いますが天賞堂の通称「オメガビル」がオープンしたのが昭和49年。
 つまり本作の宝石店のモデルも天賞堂だったと思われます。
IMG_4461.jpg
 現在は形態を変えていますが、このオメガビルは昭和55年頃にGMが「5階建て商業ビル」としてキットを出していた事があります。
 当時はレイアウト用の一般建造物のモデル化が進んでいた時期でしたが、当時のレイアウトビルダーにとっては以前このブログで紹介しているTOMIXの近郊住宅とかGMの商店みたいに「どこにでもありそうな汎用性の高い建物」が求められていました。
 そんな中で当時専門誌の広告で賑々しく紹介され鉄道模型ファンの聖地の元祖みたいな扱いだったとはいえ「銀座以外で見そうにない」オメガビルの製品化というのはかなり思い切った所業と言えました。

 モデラーの方も「買うには買ったけれど扱いに困った」様でここ10年ほどの中古モデル屋でオメガビルのキットメイクにはよく当たります。
 同時に出ている普通の5階建てビルや立体駐車場は殆ど出物を見ませんから私の推察もあながち的外れではない気もします(笑)

 鉄道ミステリなので当然駅の描写もあるのですが実は駅の構造がトリックの要となっています。
 ここは実際に本編を読んで頂いた方がよろしいかと。
 (但しトリック自体は洋光台と似た条件の駅ならどこでも可能と思いますし、その条件を満たす駅は結構どこにでもありそうな気も)
DSCN9831.jpgDSCN9907.jpg
 加えて登場する電車もこれまた当時首都圏ではあちこちに居たただの通勤電車。

 舞台が根岸線なので恐らく京浜東北線の103系辺りが出ていたのではないでしょうか。
光山鉄道管理局
 HPです。

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