鉄道ミステリとNゲージを語る11「急行さんべ」とDF50

 鉄道ミステリをNゲージモデルと絡めて語るシリーズ。

今回は「急行出雲」所収の天城一作「急行さんべ」から。
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 とある夏の夜、赤坂で起こった殺人事件の容疑者が「急行さんべ(正式には三瓶)」乗車のアリバイを楯にとると言う内容の本格推理の佳作です。

 本作は当時理学博士だった作者が「昭和51年頃に昭和38年の時刻表をたまたま見ている内に思いついたダイヤグラムアリバイ」をものした物です。
 「理学博士が研究に疲れた頭を休めるために推理小説を書く」という執筆動機も凄いですが、書かれたアリバイトリックが時刻表マニアも唸りそうな緻密さで読む者を圧倒します。
 作中には当時の時刻表のコピーがいくつか掲載されていますが、見ている内に目が痛くなる位に分刻みのアリバイ構築されているから凄い。
 捜査陣があらゆる可能性を探っていったんは割れかかるニセアリバイが次々に否定されてゆくるプロセス描写は正に時刻表トリック物の王道と言う趣すらあります。
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 今回も極力ネタばれは防ぎますが、今みたいに「そこいらのスマホで時刻表検索ができる時代だと絶対に成立しないトリック」とだけ言っておきます。
 とは言え私自身今でも時折読み返す一編なのですが時刻表トリックものにありがちな無味乾燥なところがない所は終戦前後の時期にも推理小説をいくつか物にしていた作者の面目躍如という所でしょう。

 さて、小説の方は上述の通り良く読み返していたのですが、肝心の当時の「さんべ」がどういう編成のどんな車両だったのか私自身はよく知りませんでした。
 このブログを上げるにあたってネットや資料なんかを漁っておぼろげにアウトラインを知った次第です。
 
 それによるとこの当時のさんべはDF50牽引の客車列車で、グリーン車1両に普通車4両という急行としては比較的コンパクトな編成だったようです。
 これなら手持ちの車両で編成が再現できるのではとか思ったのですが調べた範囲では客車の具体的な形式が分りません。
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 写真の編成はとりあえず10系客車中心で纏めましたが実際はかなりの相違があるものと思われます。
 牽引機のDF50は以前中古を入線させたTOMIXの最も古いタイプです。
 何しろヘッドライトが緑色に光る(当時は白色はおろか電球色のLEDなんてのはあまりありませんでした)
 初期の動力ユニットはスプリングウォームによる動力伝達という個性的な伝達方法ですが、それゆえに独特なノイズ(ディーゼル機関車っぽいと言えない事もない)を唸らせながら爆走するのですから気分だけは満点ですね(笑)
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 天城氏はこの前後の時期に同様の時刻表アリバイ物の短編をいくつかものにしておられますがどれも手堅い作りで鉄道ファンにはお勧めできると思います。
 (実は当初は別なアンソロジーに収録されていた「寝台急行月光」を題材にしようと思ったのですが登場する客車のマロネ40の手持ちがなかったので本作を選んだ経緯があります)

光山鉄道管理局
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