Nゲージの「ヘッドライトと室内灯」の思いではなし

 先日来当鉄道車両の室内灯装備にかかわるてんやわんやを書いていますが、今回はそれにまつわる思い出話を絡めて。
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 かつて水野良太郎氏が著書の中でこんな事を書いた事があります。
 
 少し面倒なんだけれども、レイアウト上に置かれたいろんな建物や街灯、それに駅舎などに灯りが付くように工作したら、といつも思うのだ(中略)これは鉄道模型のメルヘンの素晴らしさを、無関心な女房族や恋人に関心を持たせ、説得するのに最も効果的な方法なのだ。
(中略)レイアウト上のミニチュアタウンに灯りが灯り、プラットホームや駅舎の灯に、女どもは思わず感嘆の声を上げ、うっとりと眺め入ること間違いなしである。
 そこへ室内灯を仕組んだ客車の小編成でも通過させればーその客車の内部インテリアも適当に施されていれば申し分ないーもう、感極まること請け合いである
(廣済堂出版 水野良太郎著「鉄道模型入門」166Pより引用)
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 当時はこの文章に感銘を受けた私ですが、実際にそれが実行できたのがそれから40年近く経てから、しかもグランシップトレインフェスタへの参加に合わせて突貫工事で実現させたという泥縄ぶりなのですが。
 それでもレイアウトの夜景と、列車の室内灯装備というのはこの趣味を始めた頃以来の憧れのひとつだった事は間違いありません。

 日本型Nゲージの車輛は登場当初はKATOのEF70の初期モデルでヘッドライトが装備された物の、以後10年近く室内灯はもとよりヘッドライトも点灯しない(OPのユニットすら無し)状態でした。
 当時は昼間運転の列車でヘッドライトを付けない事が多かったのでこれでもあまり不自然ではありませんでしたし、室内灯も何もレイアウトの建物にすら灯がないのが大体の通り相場でした。
 (流石にカタログ用のデモ用レイアウトでは建物の灯はついていましたが)

 その状況が変わったのは昭和50年半ばにKATO(当時は関水金属)がキハ82を出した時です。
 前述のEF70以来約8年ぶり位にヘッドライトが点灯する日本型Nゲージが登場しました。
 但し当初はヘッドライト標準装備でしたが室内灯なし。
 しかもリリースからわずかな期間で「ふたたびライトが付かなくなりました」

 一見これは退化のように見えますが前照灯ユニットがオプション化されたためで、この時同時に室内灯ユニットも登場したのです。
 だいぶ前に書きましたが、私がこの趣味に入って初めて買った鉄道模型雑誌は創刊間もない「とれいん」誌だったのですがそれの表紙裏の関水金属の広告で「ヘッドライトと室内灯が煌々とついたキハ82」の写真を見た時の驚きは今も忘れられません。
 これをきっかけに以後登場した181系、153系などの電車も同様に前照灯&室内灯がオプションで付けられるようになっています。
 次いで前照灯を標準装備したモデルは学研の583系。但しこちらは室内灯は用意されていませんでした。
 それでも「月光形電車のヘッドライトが点灯している」様はリアルな上にカッコよく感じられたものです。

 一方で建物類に関しては、同時期に登場したTOMIXのストラクチャーの大半でベースに丸穴が開穴され、室内灯装備を念頭に置いた設計がされていたのが目を惹きましたが肝心の照明ユニットの登場はだいぶ後になりました。
 それどころかほぼ同時期にストラクチャーに参入したGMはそんな配慮ははなっからなし。ず~っと後に登場したKATOのジオタウンまでもが室内灯の事を忘れた設計になっていたのが残念ではありました。
 ファーラーをはじめとする欧州鉄道模型のストラクチャーキットの殆どが室内灯の漏光対策に黒い内張りのペーパーパーツを用意していたのとは雲泥の差です。
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 とはいえ、これらをきっかけに大概のメーカーが室内灯対応の車両設計をやる様になり、後にはほぼすべての車輛が「ヘッドライトは標準装備、室内灯はオプション」というのが標準的な設定になります。
 (尤も、バブルの一時期には室内灯標準装備の編成物のセットが出ていた事もありましたが)
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 ストラクチャーではGMが「ヤード照明塔」をリリース、同様の物をTOMIXが追随する形でリリースしています(あと街灯なども)ただしそれらの大半は豆電球を光源に使った物が殆どで寿命や発熱面で不安を残しました。何より「実景は白い灯が主流になっているのにレイアウトでは未だに白熱球の黄色い灯」というのが問題でしたが。

 当時の技術ではこれが精いっぱい、それどころか当時新素材として注目されていたLED(あの頃はバカ正直に「発光ダイオード」と呼んでいました)も白色どころか電球色すら出ていなかったのでモデルによっては「ヘッドライトが緑色」なのを我慢しなければならなかった時期もあったりします。
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 更に90年代辺りを境目に光源も電球からLEDに切り替わり、21世紀に白色LEDが実用化されると従来のモデルでは難しかった白色蛍光灯の表現が可能となりました。
 後の一時期ですが蛍光灯とほぼ同じ原理の冷陰極管をホームの自作照明に使ったケースが出てきましたが設営が複雑なのと発熱や耐久性の問題があったのか今ではほとんど見かけません。
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 さて、私のレイアウトで初めて室内灯の付いた列車が走ったのはこの趣味を再開させた直後に入線させたTOMIXのキハ120系が最初でした。
 当時の(今でも)レイアウトには照明が無かったので「真っ暗闇の中をぽやんと電球が付いた単行のディーゼルカーが走る」様はメルヘンというよりも怪談映画の世界に近かった気がします。
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 その後は中古モデルの中に室内灯を装備したものにいくつか当たった事はあるものの、自分から手持ちの車輛に後付けの室内灯を付けるという事はあまりありませんでした。
 上述のようにレイアウトに灯りが付いていなかったので室内灯付きの編成の必然性に欠けていた事、LEDの室内灯ユニットが高価だった事(今でもTOMIXのLCクラスは6本5千円コース、KATOのクリア灯はそれより安い物の6本3千円を割り込む程度)もありました。
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 ですがモジュールレイアウトを中心にレイアウトの夜景が楽しめる体制が徐々に整って来た事もあるので今後は室内灯装備にも力を入れたいと思う様になっては来ています。
 (でも予算が…)
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 余談ですがNより後に登場したZゲージは特にマルイのProZを中心に室内灯やレイアウトの夜景に力を入れた構成になっているのが取柄のひとつになっています。
 特に機関車を選ばない旧客類に室内灯が標準で付いているのはやはりうれしいですね。
光山鉄道管理局
 HPです。

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