「上野発の夜行列車・名列車~駅と列車のものがたり」とあの頃の上野駅

先日久しぶりに覗いた古本屋で見つけた一冊から
 JTBキャンブックス「上野発の夜行列車・名列車~駅と列車のものがたり」(山田亮著)です。
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 かつて日本人の多くが「ハワイにはハワイという島が一つしかない」と思い込んでいた時期がありました(笑)が、それと同じ様に田舎者のガキにとっては「東京」と言う都会は「東京」という町がひとつしかなく「新宿も渋谷も品川も東京とは別なところ」と認識されていたものです(大爆笑)
 そんなガキの一人だった私が初めて上京した時、特急列車も当然東京駅に停まると思い込んでいたのですが、いざ実際に着いてみるとそこの駅名は「うえの」だったので「あれっ東京とはちがうぞ」とか言って同乗していた両親に大恥をかかせた事がありました。

 ですがそれ以来、上野駅と言うのは行くにも帰るにも東京の玄関口として私の中でずっと機能してきました。
 私が現住地に住み着いてから30年以上が経つのですが、そのうち前半の15年くらいの期間、故郷への帰省と言えば電車であり、その始点は大概上野駅と相場が決まっていた訳です。
 ただし、年代によってその上野駅の印象はめまぐるしく変わり、昭和40年代は電気釜やブルートレインの巣窟として櫛型ホームに列車が勢ぞろいしている(そして帰省時期にはホームから溢れんばかりの群衆が新聞紙を地面に敷いて座り込み大汗かきまくりながら缶ビールを傾けている)イメージでした。
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 1982年の新幹線開業直後は大宮発の「リレー号」のイメージだったのですが、90年代に新幹線が開通すると「めちゃくちゃ長いエスカレーターを降りてたどり着く荒涼とした地下ホーム」と言うのが上野駅のイメージとなり、以後東京延伸までその印象が固定することになります。

 そんな訳で上野駅と言うのは私個人にとってもそれなりに馴染みがあるターミナルでしたし、東京にありながらどこかしら「東北」を感じさせる独特な印象が付いて回る場所でもあります。
 その上野駅の歴史と、そこを発着した特急、急行を手軽に俯瞰できる一冊が本書です。

 駅そのものの歴史もそれなりに興味はありますが、やはり読んでいて懐かしさと活気を感じさせるのはいわゆる「ヨンサントオ」以後の在来線の特急、夜行列車全盛時代の描写です。
 彩度の低いローズピンク系の電車や古ぼけたEF57/58などが牽引する旧客が多かったせいか東京ほどの華やかさはないのですが、最盛期の上野駅は殆ど無数といっていい位の特急・急行が発着し独特の活気を感じさせていました。
 ページをめくるたびに当時の活気(と暑苦しさw)が瞼の裏に蘇る感覚は上野駅に思い出を持ってきた世代ならではのものかもしれません。
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 列車名鑑は誰もが知っている「はつかり」「ゆうづる」「ひばり」「とき」などが載っているのは当然ですが、当時ならではの「分割併結のるつぼみたいな気動車急行」とか「完乗するのに23時間かかる普通列車」「名前を覚えるだけで地理の博士になれそうなバラエティ溢れる急行の名称」なんかに琴線が刺激されます。
 (そういえば「盛岡発盛岡行の急行があったなあ」なんて思い出すのもこういうページを繰った時ですね)
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 私の場合最近は電車の帰省でも始点が大宮になっているのですが新幹線ホームに上ってみると東北・上越・長野・北陸の各新幹線が同じ一角を行き来する様にかつての上野駅の名残を感じる事が多くなりました。
(そのせいか改札口からコンコースにはいると「かつての上野駅的な独特の田舎臭さ」もふと感じたりもするのですが)

 そんな訳でターミナルでなくなった上野駅と言うのには最近トンとご無沙汰しています。
 件の騒動がひと段落したら、一度覗きに行って見ようかとか考えていますが。

光山鉄道管理局
 HPです。


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